THE STORY

“wedding republic” the Chelsea drive....

ニューヨークにあるチェルシー地区

ニューヨークへは、約13時間のロングフライト。飛行機は少しずつ高度を上げ、約1万メートルで水平飛行に入る。
機内ではドリンクに続いて最初の食事の後、しばらくしてから機内の照明が消え暗くなる……眠る人、読書灯をつけて読書や仕事をしている人、そして座席の前にある小さな液晶モニターで最新の映画を楽しむ人……。日本からは斜めに北上、アラスカ上空をかすめ、カナダからアメリカ本国に入るルートを飛ぶ。日本とは違う異次元の世界へと飛ぶ時は、必ず上空1万メートルの夜を越える。13時間もの間、じっとしていることなんて、地上ではめったにない。でも、夜間飛行というこの雰囲気が好きだ。この先の目的地・メトロポリタンの様子を思い浮かべるとドキドキしてくる。
JFK 空港に着陸して、入国手続きを終えて、空港ロビーへ。そこで初めて、アメリカの空気を感じる。イエローキャブでマンハッタンへ近づくにつれて、映画やテレビで見たニューヨークの風景が目に飛び込んでくる。ザ・チェルシーは、ニューヨークにあるチェルシー地区にちなんで名付けられた。チェルシー地区は、マンハッタン島の中央、西側のハドソン川沿いに位置するエリアで、以前は倉庫や工場が並ぶ退屈な地区だった。しかし、90年代後半から10番街と11番街の間あたりにアートギャラリーがソーホー地区か ら次々と引っ越してきた。その理由は……。

ニューヨークにあるチェルシー地区
甘いアーティスティックな匂い

元々倉庫街だったソーホー地区にアーティスト(写真家、彫刻家、画家など)の卵たちが住み着き、アトリエやロフトにリノベーション。レストラン、バー、ライブハウスまでも誕生した。しかし、こうして観光地となったソーホー地区は家賃が高くなったり、落ち着いて活動できなくなったことから、新進アーティストたちは新たな居場所をチェルシー地区に求めた。
チェルシー地区を訪れてみても、表面的には倉庫ばかりで「どこがアートシーンの中心なのだろう?」と思うぐらいひっそりとしている。でも、よそ者を遠ざけるかのようなドア1枚くぐると、コンセプチュアル・アートやポップ・アートが並び、と てもユニークな発想を持つ人種が集まっている。ミートパッキング・ディストリクトのチェルシーマーケットには、ニューヨーク最先端のレストラン・クラブもある。チェルシー地区は、トレンドを発信するファクトリーとなっている。
このチェルシー地区のアーティスティックな甘い匂いと、アーティストたちの「成功」や「可能性」に対する情熱、創造力をリスペクトしたい想いから、ブランドネームを「ザ・チェルシー」とした。2000年春のことである。

HILL TOP というグラウンド・ポジション

かつてニューヨークで金融の仕事をしていた人から「ここは、本当にニューヨークみたいだ」と言われたことがある。
ザ・チェルシーは、高松の南に位置した小高い丘の上(HILL TOP)にあり、まわりを建物で囲まれ、街の「雑音」も届かない特別な空間。アクセルを踏んで坂を上り、駐車場に着くと、澄み切った空気を感じることができる。
たとえば、新婦が心温まる手紙を読んでいる時に大きなトラックが通ったり、バイクが大きな音で走り去ったりしたら……ウェディングという特別な日には、日常的な音もシャットアウトしたい……と思う。ここに来るとニューヨークそのままの空間があり、時計がストップしたようで、いつも感じていたストレスをリセットしてくれる……特別な日、特別な時間を過ごせるこの空間が、ウェディング環境なのだと思う。

ウェディングにタイムラグがないように

NARITA から12時間――飛行機は太陽を追いかけながら、ロシア上空から北欧、スイス・アルプスをかすめて、イタリア・ミラノへ。デザインの風は、イタリアから吹く。特にミラノでは、1月と9月にデザイン雑貨展示会「マシェフ」が開催される。1月はその年の新作が発表され、9月はクリスマスシーズンを見越したアイテムがホットになる。
ニューヨークやパリ、ミラノなど世界の都市はドラマチックに動き続けている。たとえば、ミラノで発表されていたデザインアイテムが、数カ月後に雑誌に載ったと同時にインテリアショップに並ぶ。やがて東京のモダンなホテルやブティックなどで実際に飾られて、「これミラノで見たよね」とスタッフと目を合わせた経験も多い。
フランスのデザイナーたちは、ヨーロッパの中でもイタリアのデザインは数歩先を行っていると言う。それは、毎日の生活の中に人をおもてなしするパーティ文化が根づいていることが大きい。また、ニューヨークは、世界から集まったデザインやアート、カルチャーを見事にエディトリアル(編集)して見せてくれる。だから、ニューヨークに行くと、誰もがドキドキ圧倒される。
だからザ・チェルシーは、東京よりもまだ川上にある、世界のデザインシーンの世界最先端を走るイタリア・ミラノとニューヨークをよく訪れる。私たちのウェディングにタイムラグがないように……。

砂漠の中からダイアモンドを見つけ出す

特に、イタリア・ミラノにはインテリア・デザイン雑貨が集まる。インテリアでは、ミラノサローネが有名だが、デザイン雑貨では年2回開かれる「マシェフ」にセンスのいいアイテムが集まる。飛行機のチケットを購入して、見本市に行くことで、誰でも最新のデザインアイテムを買い付けることができる……けれど、行っただけでは何もできない。
まずは、会場の広さ。とにかく広い。ミラノもパリも。1つのパビリオンは、ジャンボジェット3~4機入る格納庫みたいな広さ。それが17もある。パビリオンをつなぐ中央の通路だけでも、延々と続き、先が見えない(2km ぐらいはあるかも)。もちろん、その各パビリオンの中に、数百のショップが出展している。初めて行ったとしてもどこに何があるかわからない。 また、現地のコーディネーターに頼んだとしても、日本のウェディングスタイルがわからないとお目当てのブランドにもたどり着けない。激しく流れる川の中から、ウェディングに必要なピースとして取り出すのはカンタンではない。

熱が冷めないものをその手で運び出すこと

海外旅行に行ったことのある人なら、同感してもらえると思う。海外でドキドキして買ってきたものなのに日本で見ると、どこか違って見える。自分には海外旅行の思い入れがあるけれど、他人にはわかってもらえないもの。魔法が解けたみたいに、海を越え、山を越えて日本に上陸した途端に輝きを失ってしまうことがある。それを「これは海外から買ってきました」とディスプレイしても、そこだけ浮いた感じになる。
同じホールでも花や花器、キャンドルやスポットライトなど、コーディネートを変えると、まったく違った雰囲気を無限に創り出すことができる。なぜなら、ホールがウェディング・パーティ専用にクリエイティブに設計されているから。ホールを見学される時は、ホールの中にあるもの、置かれているもの、そして照明やテーブル、椅子、音響などをチェックしてみると、そこでもパーティシーンの可能性の深さが見えてくる。
セレクトする視点は「ユニバーサル(普遍)」。フランスやイタリアのプロダクト・デザイナーが目指す最終目的地もそこだ。10年20年と時間がたっても、色褪せないユニバーサル・デザインのように、ウェディングの思い出も輝き続けること。「いまでも、いい結婚式だったと実家で話題になります」……結婚式後のアンケートにも書かれているように、ザ・チェルシーがプロデュースするのは、変わることのない「ユニバーサルな時間」だと思う。

挙式スタイル
挙式スタイル<

●キリスト教式……本来はキリスト教信者が自身の所属するチャペルで十字架に「結婚の約束の永遠性」を誓い、その証に指輪を交換するという儀式。キリスト教徒でなくても、多くの人に祝福してもらえ、進行がシンプルかつドラマチック。時間も合理的、チャペルでのウェディングドレスへの憧れなどで人気。

●神前式……日本の結婚式は古くからあったと思われがちだが、1900 年、大正天皇のご婚礼を基に全国的に広まった。日本的な文化を大切にしたい、打ち掛けが着たいなどの理由とともに神前式が減少傾向にあって、友人と違いが出せるということも選ばれる理由である。

●人前式……宗教性が無く、親族や友人などの列席した人全員を立会人、あるいは証人として愛を誓うという儀式。日本古来の結婚式のスタイルに一番近い。決められた進行や演出がなく、衣裳も洋・和を問わないなど自由度が高い。結婚を承認するために拍手をするなどオリジナル性を打ち出すことができる。

●仏式……リスト教式の影響を受けて明治時代以降に始まった。2人の出会いは前世からの因縁であり、結婚を先祖に報告するという考え方。挙式は先祖代々の寺院で行なう。

●日本古来の結婚式(挙式&披露パーティ)……挙式は人生最大の意思決定をするけじめを示す「儀式」。2人のこれからの人生への誓いと、社会(今までお世話になった人、お世話になる人)への認証を目的としている。披露パーティは、結婚を祝ってくれる人たちを2人がおもてなしするものであり、お祭り事、お祝い事として愉しんでもらうことを目的としたもの。

以上の主旨から執り行われるようになった結婚式。昔は、新郎の自宅に新婦を招きいれ(婿養子の場合は逆)、座敷で結婚式の儀を行い、親戚や友人、近所の人達と真夜中まで祝宴を行なっていた。自宅以外の専門式場などで結婚式が行なわれるようになったのは戦後のこと。これらの事から考えると、昨今、徐々に支持を得始めた人前式&ナイトウェディングというスタイルが一番結婚式原点に近いのかも知れない。

海外のパーティスタイルは自由な雰囲気

ミラノやパリ、ニューヨークでも東京でも……パーティのスタイルは、自由な雰囲気の中で会話を楽しむ。たとえば、有名デザイナーがプレスを対象として開催するレセプション・パーティも、開始時間になると自然に人が集まる。開会のスピーチもない。あちらこちらで挨拶が交わされ、シャンパンやワインを飲み、カナッペをつまみながら新しいデザインについて語り合 う。いつ始まったかもわからない自由な雰囲気の中で時間が過ぎ、三々五々挨拶をして帰ってゆく。
つまりココロが自由にいられるリラックスした雰囲気が、本当に楽しい「時間」が過ごせるための環境と言えます。そしてこの“空気”を創ることが私たちの役割と考えています。

テーマは「自由で楽しいウェディング」

これは、ザ・チェルシー2000年のブランド・デビュー以来掲げているテーマです。では、「自由で楽しいウェディング」とは……。
ウェディングは、「挙式」「披露パーティ」という2つに大きく分かれます。挙式は、結婚の約束を永遠にすることがテーマです。そして、披露パーティではいろんな人が集まり、いろんな会話があり、いろんな場面があります。
「友人関係」「会社関係」「親戚関係」というグループが新郎側・新婦側と……つまり大きく6つのグループができます。友人たちは同窓会を楽しむ感覚、親戚の人たちにとっては幼かったころから見てきたあなたから結婚する新しいパートナーを紹介される時。職場の人たちは、いつもの顔ぶれで盛り上がる……普通なら、会場の雰囲気はバラバラになってしまう。でも、共通した目的は1つ。2人の結婚を祝うこと――それを成功させることができるのが「自由で楽しい雰囲気」。年齢や性別、グループが違っても、みんなが(盛り上がるというと軽く聞こえますが)心躍らせる空気……そのための「箱」がホールです。「私たち2人が、家族や友だちみんなを大切に思っていることが伝わって、みんなで楽しい時間をともに過ごせた。ステキな会場で夢のようなひと時を過ごせた」――これが、ザ・チェルシーで結婚された先輩からの感想です。

自分の色を創ってみて

小学生のころ、絵を描く時に「チューブからそのまま出した色ではなく、自分の色を創ってみて」と先生に教えてもらったことはない?自分の好きな色をいくつかパレットで混ぜてみる。何度か何度かトライしてみて、薄い色から画用紙に筆を走らせる……ウェディングを考えるのも、同じこと。自分であれこれと色を出してみる、自分の好きな色を考えてみる。でも、ひとりではなくって、ウェディングコーディネーターに相談してみる。絵の具は淡い色から塗り始める。少しずつあなたのウェディングが姿を現わす。
壁は、越えるものではなく「なくす」ものだと思う。越えようとするから高さを気にする。もっとフリーハンドで絵を描くようにしてみませんか?

ドレスを100回着替えるよりも、あなたの一言

さぁ、挙式が終わりました。いま、あなたはどんな心境ですか。緊張しましたか?でも、緊張していたのは、2人だけでなくゲストも同じです。このまま披露パーティが始まってしまうと、緊張した空気になってしまいます。
ザ・チェルシーでは、各ホールにウェルカムバーがあり、披露パーティが始まるまでの間、軽いドリンクとオードブルでウェルカムパーティをします。わずか20分ほどですが、自宅でホームパーティをしているようなアットホームな雰囲気が緊張を和らげます。ブライズルームや控え室、トイレも同じフロアにあって、これら全てを貸し切る状態になるのでプライベート性の高いパーティになります。
カクテルを飲みながら、新郎新婦を囲んで楽しく話をしています。新郎新婦は、ここではおもてなしの主役。「今日は、出席してくれてありがとう」の言葉とともに、感謝の気持ちを伝えましょう。それは、披露パーティに入るためのゲストと新郎新婦自身の、気持ちのウォーミングアップにもなります。
そして、パーティ会場へと入場して、新郎新婦がゲストと和やかに食事・会話をしていると、やがてその空気が会場に広がります。新郎新婦が他のテーブルやホールを隅々まで歩いて行って話をしましょう。そうするとゲストは「招かれて良かった」と思うのです。

人は歩くこと、話すことで、素敵な時間を記憶する

結婚式、この日にしか話せないことって山ほどあります。学校を卒業して久しぶりに会った友人なら、自分のパートナーをしっかりと紹介したい。会社関係の人には、「どうぞ、これからもよろしく」という気持ちを伝える。小さな時から可愛がってもらった親戚の人にも、しっかりとパートナーを紹介。両親や祖父母なら、やっぱり「ありがとう」を心を込めて伝えたい…
…(ほらね、たくさんあるでしょ)。でも、その日、新郎新婦はとても忙しい。では、どうすればいいの?
結婚式と披露パーティの間のウェルカム・パーティ。これが第1のタイミング。2番目は、パーティが始まってから。ザ・チェルシーには、円形の巨大なテーブルがあります。ここでは、新郎新婦は、ゲストと同じテーブルで、同じ目線で会話と食事を楽しみます。顔もよく見えます。高砂席だと“お飾り”のようで近寄りにくいですが、この大きなテーブルなら2人はおもてなしの中心にいます。
「知らない人もいるから」という人でも、ザ・チェルシーには会話をはじめる「きっかけ」があります。バーカウンターでは、カクテルをオーダーした後も、女性たちがいろんな話をしています。ソファでは、友だちと記念写真を。もちろん、テーブルの上ではフラワーアレンジが気持ちを和ませてくれる。結婚式が終わって何年も経っているのに「あの時は、楽しかった」と笑顔で話してくれる人がいる……すべての人を孤独にしない、ココロをつなぐウェディングが、ザ・チェルシー・ウェディングです。

1人ひとりの顔を思い浮かべる…そこから始まる

おもてなしの気持ちを、ずっとずっと深めること――結婚式は世代を越えて、性別を越えて、時には国籍を越えて、最大公約数(つまり、みんなに親しまれること)の進行・演出を行なうことが求められます。そのポイントは、出席者 1 人ひとりの顔を思い浮かべること……そこから始まります。出席してもらったことへの感謝の気持ちを伝えようと考えられた結婚式は必ず成功します。でも、当日は、1 人ずつ全員とゆっくり話すことは難しい……そのためにできることがあります。
「100 人のためじゃなく 10人のためじゃなく私のためだけ」というコンセプトでのおもてなしの演出を考える。
ゲスト席それぞれに配する席札へメッセージを手書きで、しかもそれぞれ違う文面で書いてみる。
子どもさんへの(その子の名前が書かれた)プレゼントを用意する。
上司に「いつものワイン」を用意して、テーブルサーブする。
お誕生日が近いゲストのデザートには「Happy Birthday」のカードを添える。
遠方からのゲストの宿泊室に「今日は遠くから来てくれてありがとう!」というメッセージカードを置く。
親友からのあいさつの時、学生時代に流行った曲を用意する。
一番遠い席に座る祖父母に乾杯と同時に真っ先に席までご挨拶に行ってみる。それを見て、たとえば「私たちへの挨拶を
後回しにするなんて!」と怒ってしまう人なんていません。「あたたかい」という事は、1 人ひとりをしっかり見ているということです。 ウェディング成功のポイント……アンケートを調べるうち、浮かび上がってきたのは「この日すべての人が、幸せになっていただくこと」。もちろん、2 人のための結婚式なのですが、結婚式という特別な日、特別なひとときを体験することで、すべての人が幸せな気分になっていただく……これがウェディング成功の秘訣だと言えそうです。

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